2010年2月10日水曜日

手作りカヌーのこと 2

はじめに

景気低迷の昨今にあって以前に比べるとカヌーやカヤックを多く見かけなくなった様に思うのは私だけでしょうか?



カヌー作りが出来なくなって久しく立ちますが・・・またやりたいな。
まあ所有の2艇(カナディアンとシーカヤック)の修理は出来ますが(笑)。
カヌー作りは時間もお金もかかりますが、カントパパが経験した最高の趣味だと思っています。



ところでウッドカヌーは見たことってありますか?カヌーをする人は多くても、ウッドカヌーを実際に目にする機会は少ないものです。ネットのビルダーさんの通販で見かける位で、実際に売っているのはほとんどみかけません。買ったら高そうだし!
ウッドカヌーは車で言うとロールスロイスのようなものでしょうか?数も少なくめずらしいとおもいます。当時つくった時の思い出をもとに色々かいてみたいと思います。




材料について

材料の木材は主にスギ材を使います。私の場合は西川材と呼ばれる埼玉県飯能市の山間部で育ったスギやヒノキはを使いました。均一で加工しやすく、狂いがないのに色目が美しく、とても遊び心をくすぐるすばらしい材料です。

(モールドにはるストリプ材/杉材)

工法について

私の習ったカヌーの作り方はストリププランキング工法という作り方です。その製作工程の概要は

① 図面からカヌーの型を自分で作る。ストロングバックやモールドは専門書やネットショップの図面を購入あるいは専門の工房等で用意してもらう。
モールド:カヌーの型板で10ミリのコンパネで製作
ストロングバック:カヌーを制作する土台でモールドを並べてセット
② モールド(カヌーの型)の形に合わせてにストリプ材(薄く細い杉材)を一本一本はる
③ 全体が張り終わり形が出来上がったら外側をひたすら磨く
④ ②にガラス繊維をかけFRPでコーティング
⑤ ガンネルをはる
⑥ 完全に固まったら型を抜く
⑦ 内側をひたすら磨きます。
⑧ ⑦の内側にまたガラス繊維とFRPでコーティング
⑨ ヨーク、浮力体、いすなどを取り付ける
⑨ 中と外を細かい部分をまた磨く
⑩ 最後にウレタン樹脂を数回ぬれば完成

とまあ簡単に書きましたが(笑)

下に写真を掲載しましたので参考にしてください。


ここでは最もシンプルなカナディアン(4m)のおおまかな作り方を当時の写真をもとに解説します。

カヌーの型にストリプ材を一本一本張っていきます。

一般的な木工用接着剤をつけてガンタッカーというホッチキスの親分でガンネルにストリプ材を固定します。このあたり工程が最もカヌー作りらしく楽しいところです。
カントパパはこの工法を後で知ったのですが、本格派のこだわりのあるカヌービルダーさんはストリプ材の固定をガンタッカーの針を使わずにクランンプと加工した木の部品を使いストリプ材を押さえ込む方法で接着材だけを使って行うそうです。この工法ではガンタッカーの針穴が全くないので、針穴へのFRPの染み込みもなく一層美しいすばらしい船になるそうです。


こんな風にストリプ材(約4mのもの)を木工用接着剤で1本1本張ってゆきます。必要に応じて接着面を広くするため小刀やヤスリを使って木を削ります。
全体が張り終わるまでにガンタッカーの針も少しずつ抜いておきます。しばらくおいて接着剤が十分固まればフレームと木はしっかりと固着し一体化しているからです。
ほぼ全体が張り終わる段階で、カーブのきついところなど段差を無くすように削りおとし、軽く磨きます。隙間ができれば接着剤と細かい木粉を混ぜた特製のパテで充填してゆきます。


ストリプ材を完全に張り終わり固着したら、ガンタッカーの針を一本残らず抜きます。FRPがかってしまうと後で大変やっかいなことになるからです。この針抜きも集中してやろうとすると大変です。運が悪いとニッパーを持つ指に豆が出来て皮がむけてしまいます。
表面をなめらかにするためにミニサンダー等の工具や手を使いひたすら磨きます。ここでさぼると次の工程でFRPがしっくりなじまず、美しい木目が出せないのでひたすら磨きます。機械の振動で酷く肩がこります

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