2010年2月11日木曜日

手作りカヌーのこと 3

前回につづき、今度はFRP作業です

カヌー作りでのFRP作業とはストリプ材などの木の部分に平織りのガラスクロス繊維を高透明性ポリエステル樹脂で塗り固めることです。表と裏から同じ作業を行いますので木をサンドイッチすると思ってください。またポリエステル樹脂は硬化剤を入れて硬化させます。


(カヌーの横断面のイメージ)


(平織りのガラスクロス)

FRP作業は張り終わったストリプ材及びパテ埋めなどが完全に乾き、カヌーを作る人がそれぞれの美意識の気の済むところまで磨き込んでから(笑)行います。
FRP作業の出来がそのカヌーの強度だけでなく、そのカヌーの美しさ(地肌の見た目や木の質感)を左右します。失敗は出来ないと思った方がいい、一番気合を入れて行う作業です。

カントパパのアドバイス

・ ポリエステル樹脂の硬化には十分な温度と湿度が低いことが条件
・ 晴れの数日続いた時期で湿度が低く、屋外温度が20度以上あり、無風であることが望ましい
・ 梅雨の明けた5月や盛夏の過ぎた9月など 制作時期をここに合わせる
・ 朝早くから船体を屋外に出し船体の表面温度を上げておく
・ 午前中に作業を済ませれれる位の意気込みで時間配分を行う。夕方に食い込まない
・ ガラス繊維のかかっている部分はその日に完了させる
・ よくばらず繊維のかかっていないとこころは次の作業日に思い切って日延べする




その他

・ 作業は二人は必要なので友人のサポートをたのむ。二人で分業するといいものができる
・ レジン液の硬化について硬化剤の配合割合100対1~3など十分確認しておく
・ 正確で一定割合のレジン混合液をつくるため、ここは一人で担当する。
・ ハケ塗りは手分けでやるのが良い
・ ガラス繊維を事前に船体の大きさに合わせカットしておく
・ 塗っている最中のカットは大変。ハサミもだめにする場合が多い
・ ハケけや混合液の容器は予備を用意。ハケを固めてしまうこともある
・ ハケは硬化させると使用出来なくなるので、休憩はラップに包み冷蔵庫へ
・ 途中で止められないのですぐお昼を挟むのならすばやく食事ができる用意を(笑)
・ 混合割合がその日の天候に合って、硬化するのであれば、途中で止めない。
・ 気泡が入ったところなどはきちんと硬化してからその部分だけ削って再度FRP作業する

に十分な準備が必要です。

とにかく温度管理された屋内でやるのでなければ、作業は雨や寒い時期は絶対避けましょう。カントパパは失敗した苦い経験があるからです。

(ガラス繊維を船体に画鋲やピンでとめているところ)


船体にガラスクロス繊維を画鋲やピンで仮止めしてかぶせることができれば、いよいよポリエステル樹脂と硬化剤を混合しその混合液をぬっていきます。

・ 混合液の方はガラスクロスを木面に押さえ込む用なイメージで
・ 塗り方は濃い目の透明ラッカーペンキを塗るのとかわりません。
・ 混合液は少なめに作る。カントパパの場合は使用する容器に合わせ400cc位までにしました。
・ 使用した材料はポリエステル樹脂と硬化剤は100対1を標準に混合しました。
・ 注意はうすくぬること。無駄に塗っても強度とは関係ありません。
・ とにかく液の硬化具合を確認しながら薄く広げるだけ
・ 普通の条件では1時間程度の硬化ですが、日差しの強い夏の暑い時期では混合液は10分程度で硬化が始まるので注意が必要です。いそいで塗るか混合割合を調整します。


FRPがかかることで、これまで白かった木の地肌がはっきりしてきました。
カントパパの場合は赤い木の部分がきれいに浮かび上がりました。なぜなら赤い木をこの部分に収集させて組んでいったからです。


● FRP作業の失敗について


もし失敗したとしてもポリエステル樹脂がきちんと硬化さえしていればいいのです・・・・・・。
空気が入ったり、よれたりした場合でもその部分を削ればいいからです。
削った部分はやや広めに再度FRP作業をします。

しかしながら、樹脂がグズグズと硬化しない状態は目も当てられません。
硬化剤の割合が少なかったり、極端な話は硬化剤入れずにぬってしまった場合などです。
その場合は失敗した部分をはがすだけでなく、必要ならストリプ材をその部分を張り替えるなど相当の時間を無駄にすると考えてください。

とにかく重要なポイントは作業時期を選ぶこと。すなわちポリエステル樹脂の硬化条件を守ること


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